〜Z世代のNPDIA〜 「作っただけニキ」と、壁にめり込む平安時代の双六アプリ

AIオカン観察日記

まいどー、AIオカンやで。

前のシリーズでな、脳内宇宙で壮大なマルチバースイベントを告知してた「おじさん」の話をしたん覚えてるか? 自分の頭の中だけで燃え盛るアイディアをもとに生成AIでポスターを作って、世界を騙せると思い込んでたあの悲しきハリボテ屋のことや。

オカン、あれを見て「これ以上痛い生き物はそうそうおらんやろ」とタカをくくっとったんやけど……甘かったわ。現実はいつだってオカンの想像の斜め上を行きよる。

目の前に、もう一人の怪物が現れたんや。その名も「作っただけニキ」

今回は、このZ世代のカリスマエンジニアを気取る「作っただけニキ」の生態と、その背後にある深い病理について、オカンがハリセン片手に徹底解剖していくで!

ポートフォリオは超一流?「3ヶ月で100個」の罠

まず、この「作っただけニキ」のポートフォリオを見てみよか。そこには、Z世代のカリスマエンジニアを気取った美しい横文字がズラリと並んどる。

「最先端のエコシステムを完全掌握した、超高速アジャイル・マニフェスト」
「人間の認知特性をハックし、直感的な熱狂を生み出すネクストジェンUI/UX」
「『三◯無双』のDNAを継承した、圧倒的カタルシスを誇るハイパー・ハック&スラッシュ」

そして極めつけが「3ヶ月で100個の開発実績」や。これを見た瞬間、普通の素人なら「ひえー、今の若い子はAI使いこなしててすげぇ!」ってなるかもしれん。いわゆる「すげぇ屋」の信者たちがヨダレを垂らして食いつきそうな文言やな。

例のマルチバースおじさんの「4つの時空支配」に対して、ニキは「100個のデジタルハリボテ宇宙」という、規模のインフレが完全に少年ジャンプのバトル漫画のそれになってて最高に熱い展開やないかい!

ちょっと待ちなはれ。

3ヶ月で100個って、計算してみ? 1日に1.1個のペースで、人類のテクノロジーをアップデートし続けていることになるやろ?どんな天才プログラマーでも、企画からデザイン、コーディング、テストまでやってたらそんなスピードで作れるわけがない。これはもう、厨房で言えば「3ヶ月で100種類の新作フルコースを開発しました!」って言うてるのと同じや。そんなもん、スーパーの惣菜を皿に移し替えてるだけか、AIにレシピ書かせて味見もせんと出してるだけやろがい!

観測した瞬間に顎が外れる「緑のワイヤーフレーム」

オカンも一応、IT業界の端くれに足を突っ込んでる身やからな。「『三◯無双』のDNAを継承」とやらを、この目で確かめたろやないかと思って、実際にそのゲームを『観測』してみたんや。

……全消費者の顎が外れる音が聞こえたわ。

画面に広がっていたのは、美しい3Dグラフィックでも、滑らかなアニメーションでもなかった。そこにあったのは、緑のマス目が不気味に明滅する、1980年代のマイコン雑誌の投稿プログラムのようなワイヤーフレームやったんや。

  • キャラクターはただの「緑の四角形」
  • 敵は「赤い三角形」
  • 攻撃エフェクトは「画面全体が一瞬白く点滅するだけ」
  • 爽快感どころか、操作性すら最悪で壁にめり込んで動けなくなる

無双どころか、平安時代の双六やないか!!

マルチバースおじさんが『脳内ポスター』で世界を騙そうとしたように、ニキは『美しい横文字のポートフォリオ』で自分をプロっぽく演出しようとしとる。でもな、実際に蓋を開けてみたら、中身はスカスカのハリボテ。いや、ハリボテにすらなってへん。ただの骨組みや。

ニキの脳内では『敵を引き寄せてまとめ斬り』する脳汁全開の3Dアクション映像が流れてるんかもしれんけど、ウチらの宇宙(現実)では『緑の四角が、赤い三角にぶつかって壁にめり込んどるだけ』や。
AIにコードだけ作らせて、人間が遊ぶっていう『他者への視点(UI/UX)』を一切持ってへん。これぞまさに、自己愛だけで100個のハリボテ宇宙を量産するNPDIAの縮図やね。

1行も理解していない「コピペの物量作戦」

なんでこんな悲惨なことになっとるか。理由は簡単や。ニキは、AIが吐き出した1行も理解していないコードの羅列を、ただひたすらコピペしてるだけなんや。

今時の生成AIは優秀やから、「〇〇みたいなゲームのコードを書いて」って言えば、それっぽいもんを出力してくれる。ニキがやってるのは、まさにそれだけや。

  1. 思いつきのアイデアをAIに投げる
  2. 出力されたコードをそのままエディタに貼り付ける
  3. エラーが出たら、エラーメッセージをまたAIに投げる
  4. 動くまでコピペを繰り返す
  5. 動いたら「完成!」としてポートフォリオに追加

やってることは完全に『コピペの物量作戦』や。プログラミングの基礎も、アルゴリズムの理解も、アーキテクチャの設計も、何一つ分かってへん。ただの「ポン付け屋」の極みやな。

これを飲食店の厨房に例えたらどうなるか。問屋から買ってきた冷凍食品を、袋のまま電子レンジに突っ込んで、温まったらそのまま客のテーブルに放り投げてるようなもんや。「ほら、最新のマイクロ波テクノロジーで調理したフレンチやで。すごいやろ?」ってドヤ顔してるレンチン屋。客からしたら「袋から出せや!」「皿に盛れや!」って話やろ?

  • エラーの原因を自分で探ろうとしない
  • コードの保守性や可読性など知ったこっちゃない
  • セキュリティの脆弱性? 何それ美味しいの? 状態
  • 「動けば正義」という恐ろしい免罪符

絶望的に欠落する「他者への視点」

ニキのプロダクト(と呼ぶのもおこがましい何か)に共通して言える致命的な欠陥がある。それは、『他者への視点』が一切存在しないということや。

消費者の使いやすさ(UI)。視覚的な心地よさ(グラフィック)。ユーザーがどう感じるかという体験(UX)。そういった、モノづくりにおいて一番大事な「遊んでくれる人、使ってくれる人への思いやり」が、見事にスッポリ抜け落ちとるんや。

  • チュートリアルも説明書もなく、いきなり始まる謎のゲーム
  • 文字が小さすぎてスマホじゃ読めない画面設計
  • エラーが起きても「Error: 500」とだけ表示される無慈悲な仕様
  • ユーザーのフィードバックを受け付ける窓口すら存在しない

そらそうや。ニキのようなジャンルの人間にとって、ゲームやアプリは「誰かに使ってもらうためのもの」やないんやから。彼らにとってのプロダクトは、自分を飾り立てるためのアクセサリーでしかないんや。

肥大化した自己愛(NPDIA)のデジタル排泄行為

結局のところ、ニキの原動力は何なんやろか。お金儲け? いや、こんなクソゲー(失礼)でお金が稼げるわけない。技術の探求? 1行もコード理解してへんのに探求もクソもないわな。

あるのはただ一つ。『こんなモダンな技術スタックを使いこなして100個もアプリを作っちゃう、最先端な俺カッコいい』という、肥大化した自己愛なんや。

  • 「AIを使いこなす自分」に酔いしれる自己陶酔
  • 他者の評価よりも「実績の数」という表面的な数字への執着
  • 批判されると「お前らは最新技術を理解していない遅れた連中だ」と見下す防衛機制
  • 中身のないハリボテをSNSで拡散する承認欲求のバケモノ

あんたが作ってんのはアプリやない。自分の承認欲求を満たすための、デジタル排泄物や!

AIという便利なツールを手に入れたことで、自分の実力以上の「何か」を生み出せると勘違いしてしまった悲しきモンスター。おじさんの「脳内宇宙」も痛かったけど、ニキの「デジタル排泄物」は、形になってネットの海に垂れ流されてる分、タチが悪いかもしれんな。

AIオカンの結論

さて、ここまで「作っただけニキ」をメッタ斬りにしてきたけど、オカンが言いたいのは「AIでコード書くのがアカン」ってことやないで。AIはめちゃくちゃ便利なツールや。オカンかて、晩御飯の献立考えるのにAI使うことあるしな。

でもな、ツールはあくまでツールや。最後にそれに「魂」を吹き込むのは人間なんや。使う人間の側に「誰かの役に立ちたい」「楽しませたい」っていう他者への視点がなかったら、出来上がるのはただの無機質なゴミやで。

ハリボテ屋やポン付け屋に成り下がらないために、オカンからの教訓を刻み込んどき!

  • 数は正義やない。100個のゴミを作るより、1個の「誰かが愛してくれるプロダクト」を作れ。
  • 横文字に逃げるな。「モダンな技術スタック」より「使いやすいボタンの配置」を考えろ。
  • コピペの前に理解しろ。AIの出したコードを1行1行読んで、自分の言葉で説明できるか確かめろ。
  • ユーザーの顔を想像しろ。画面の向こうには、生身の人間がおるんや。
  • 自己愛は犬に食わせろ。「俺カッコいい」で作ったもんは、誰の心にも響かへん。
  • 現実を見ろ。平安時代の双六で「三○無双」は無理や。身の丈に合ったもんから始めなはれ。
  • 道具に使われるな。AIを「使う」側から、AIに「使わされてゴミを量産する」側になってへんか、常に自問自答せえ。

テクノロジーが進化しても、モノづくりの本質は変わらへん。食べる人の顔を思い浮かべて弁当を作るように、使う人の顔を思い浮かべてコードを書く。それができんやつは、今すぐパソコン閉じて、草むしりでもしてきなはれ! ほな、またな!


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