最近また出てきましたな。
「AI事務員が月3,000円で雇える!」
「請求も経理もマーケもAIに丸投げ!」
「中小企業こそ今すぐ導入!」
はいはい、出ました。
AIすげえ屋さん、今日も元気に太鼓叩いとる。
でもな、オカンはここで言いたい。
そのAI事務員に任せる仕事、そもそも発生しとるんか?
これや。
まずここや。
月3,000円は、売上5万円の会社には普通に重い
「月3,000円なら安いでしょ!」
って言う人、ようおります。
たしかに、月商100万円ある会社なら安い。
年商1,000万円超えてる会社なら、まあ便利ツール代として見られるかもしれん。
でもな。
月の売上が5万円の会社にとって、月3,000円は売上の6%やで。
しかも実際には、AIだけで済まへん。
- サーバー代
- Adobe代
- ドメイン代
- 会計ソフト
- ChatGPT
- Claude
- Gemini
- Cursor
- Google Cloud
- 商標出願費用
- 印刷代
- 交通費
こういう固定費が、ちょっとずつ首に巻きついてくる。
そこへ「月3,000円でAI事務員!」とか言われても、
その3,000円を払う売上を、まず連れてきてくれ。
という話である。
自動化するほど仕事がない問題
AI活用記事でよく見るやつ。
「請求書の督促をAIが自動化!」
「顧客フォローをAIが自動化!」
「営業リストをAIが整理!」
「SNSキャンペーンをAIが回す!」
すごい。
たしかにすごい。
でも、零細一人会社の現実はこうや。
督促する請求書がない。
フォローする顧客がいない。
整理する営業リストがない。
回す広告予算がない。
はい、解散。
ちゃうねん。
AIが悪いんやない。
導入フェーズが違うんや。
すでに仕事が回っとる会社には、自動化は効く。
請求書が毎月何十枚も出てる会社には、AI事務員は助かる。
顧客対応が毎日発生してる会社には、AIの返信案は便利や。
でも、まだ売上が安定してない会社には、先にやることがある。
それは、事務の自動化やない。
売れる商品を作ること。
無料労働を止めること。
見積もりを出すこと。
請求できる仕事にすること。
ここを飛ばしてAI事務員を雇っても、
AI事務員は机で暇しとるだけや。
「設定してる間に、自分で書類作った方が早い」問題
これもあります。
AIツールを導入するには、だいたい設定がいる。
- アカウント連携
- 権限設定
- データ整理
- プロンプト作成
- 出力確認
- ミスの修正
- セキュリティ確認
- 連携先サービスの契約確認
めんどくさい。
かなりめんどくさい。
請求書1枚なら、自分で作った方が早い。
メール1本なら、自分で書いた方が早い。
月に数件しかない業務なら、AI導入コストの方が高くつく。
ここをAIすげえ屋さんは、よくすっ飛ばす。
「30分で導入できます!」
言うけどな。
その30分で、請求書作って送って、ふりかけ飯まで食える場合もあるんや。
本当に必要なのは「AI事務員」ではなく「AI参謀」
零細一人会社にいきなり必要なのは、AI事務員やない。
必要なのは、AI参謀や。
たとえば、
- この案件、赤字やないか?
- 無料で受けてええんか?
- 見積もりはいくらが妥当か?
- 断る文面はどう書くか?
- 補助金に使える事業案か?
- 商品化できる現場の痛みはどこか?
- 顧客に伝わる名刺やLPはどう作るか?
こういう判断を手伝ってくれるAIの方が、よほど役に立つ。
請求書を自動送信する前に、まず請求できる案件を作らなあかん。
営業リストをAIで整理する前に、まず誰に何を売るのか決めなあかん。
マーケ自動化の前に、まず売るものを作らなあかん。
順番がある。
この順番を間違えると、AIは便利ツールではなく、ただの固定費になる。
AI導入にはフェーズがある
オカン的に分けるなら、こうや。
Phase 0:売上前・混乱期
必要なのは、AI事務員ではない。
必要なのは、
- 商品化
- 有償化
- 見積もり
- 断り文句
- 無料労働の停止
- 事業の優先順位
ここや。
Phase 1:月商30万円未満
ようやく、制作テンプレ、見積テンプレ、請求ルール、簡単な顧客管理が効いてくる。
でもまだ、複雑なSaaS連携は重い。
Phase 2:月商30〜100万円
このあたりから、事務の一部自動化が効き始める。
見積、請求、案件管理、メール下書きなどは効果が出やすい。
Phase 3:月商100万円以上
ここでようやく、AI事務員系が本格的に効く。
顧客がいる。
請求がある。
営業案件がある。
定型業務がある。
だから自動化に意味が出る。
Phase 4:年商1,000万円以上
複数SaaS連携、CRM、マーケ自動化、AI業務OS。
このあたりが現実的になってくる。
つまりな。
「小規模事業者向け」と言いながら、実は月商100万円以上を前提にした話が多すぎるんや。
月5万円の会社に、年商1,000万円クラスのAI導入論を持ってきても、そらズレる。
服で言うたら、子どもに大人用のスーツ着せて、
「ほら、これが成功者の装いです」
言うてるようなもんや。
袖、地面に擦っとるわ。
AI丸投げより、人間の手を強くするAI
そしてもう一つ大事なこと。
なんでもAIに丸投げすればええわけやない。
たとえば動画制作でも、
「AIが全部それっぽい動画を作ってくれます!」
みたいな話は派手や。
でも、現場の人間には現場の美学がある。
自分で編集したい。
自分で料理したい。
味付けは自分でしたい。
でも、玉ねぎ100個のみじん切りだけは機械に任せたい。
これが本音の人もおる。
そういう人に必要なのは、インスタントラーメン製造機やない。
包丁を研ぐ道具や。
下ごしらえを助ける道具や。
職人の手を速くする道具や。
AI活用も同じ。
全部丸投げするAIだけが正解ではない。
人間の能力を引き上げるAIも、立派な正解や。
まとめ:AIすげえの前に、自分のフェーズを見ろ
AIはすごい。
それはもう間違いない。
でも、
すごいAI = 今の自分に必要なAI
ではない。
ここを間違えると、こうなる。
「すごそう!」
「置いていかれそう!」
「月3,000円なら安い!」
「買った!」
そして数週間後。
「……なんか違う」
これや。
AI導入で失敗する零細企業は、ツール選びの前に、フェーズを間違えていることが多い。
今の自分に必要なのは、事務員なのか。
参謀なのか。
職人の補助なのか。
営業の壁打ちなのか。
無料労働を止めるための文面なのか。
そこを見極めること。
月3,000円のAI事務員に飛びつく前に、まず聞こう。
そのAIに任せる仕事、ほんまに今あるんか?
なかったら、先に売るものを作りなはれ。
オカンからは以上です。

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